厚生労働省が、「労働者の働き方・ニーズに関する調査(中間報告)」を公表した。
https://lnkd.in/gyH5zrm6
いくつかの質問に対する回答傾向を以下に紹介する。
☑昇進の決め方:「年齢や勤続年数よりも、成果や能力を重視」とする回答が71.3%(「そう思う」「ややそう思う」の計)
☑賃金:「働いた時間より成果に基づいて決める」が63.6%。
☑「一つの企業で働くことをこれまで以上に重視するか」:「重視する」が57.9%(同)。
☑希望する仕事の時間:「増やしたい」「少し増やしたい」の合計割合は、年代別では20代で最も高く20.8%(最低は70代で6.6%)
☑希望する将来の働き方:「なりゆきにまかせたい」「わからない」の合計割合は、56.5%。「会社幹部・管理職希望」は8.3%
これらの回答傾向から、筆者が独断で日本のビジネスパーソンのマインドセットを素描すると以下のようになる。
仕事の評価は、年齢・勤続ではなく、能力や成果に基づき行ってほしいが、他方、転職したい気持ちはそれほど強くないし、労働時間はこれ以上増やしてほしくない。自分の将来のキャリアについてはGo with the flow(成り行き任せ)で良い。
この回答結果にはambivalent(相反する)な気分が混ざっているように思われる。
能力や成果で評価してほしいなら、そのように評価してくれない会社から転職するという選択肢を持つのが論理的帰結であるが、一つの会社に長くいたいと考え、将来のキャリア形成はなりゆきまかせとする者が共に6割弱に達している。
「自分のキャリアも会社がなんとかしてくれるのだろう」という会社任せ(=他人事)の期待を抱いているとすれば問題だと思うが、多少の不満があっても変化を避け、現状を続けることを選択する向きが多いということなのだろうか?
岸田政権は、「三位一体の労働市場改革の指針」で、「働き方は大きく変化している。「キャリアは会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となってきた・・・」と高らかに謳っているが、現状のサラリーマンのマインドセットが上記の通りだとすると、道のりは長そうである。